自然栽培とは

  • 自然栽培は、農薬を使わない。入れない。
  • 自然栽培は、化学肥料を使わない。入れない。
  • 自然栽培は、土地を知り、野菜を知る。

自然栽培とは、化学的に合成された農薬・除草剤、化学肥料を一切使用せず、なおかつ自然が持っている力を最大限に引き出し、本来の味を持つおいしい作物を栽培する農業のことです。
農家によっては、農薬・除草剤・化学肥料の流入や飛来も独自の対策で防いでいます。
自然栽培の畑は、それまで使用していた農薬や化学肥料を3年以上かけて排除し、自然の循環を取り戻してから、作物を栽培します。
自然栽培は、自然のまま放置する栽培方法ではありません。作物や土壌を取り巻く環境が、自然の循環の中で最大限活性化できるよう、人の目と手で、成長しやすいようさまざまなお手伝いをし、野菜本来の味を引き出す栽培方法です。
有機栽培よりも、より自然環境に依存する栽培方法なので、それだけ作物の栽培難度は高いものになります。

自然栽培の特徴

農薬を使わない。入れない。

畑に残っている農薬は、3年かけて取り除く。

  • イネ科の作物や雑草で、土にしみ込んでいる農薬を除去する。
  • マメ科の作物で、畑に栄養分を補充する。
  • 農薬のなくなった畑で、いろいろな野菜を栽培する。

害虫駆除・病気予防は、野菜・雑草・益虫などを利用する。

  • 虫の嫌いな雑草を植えることで、害虫を寄せ付けない。
  • 虫取りのために仕掛けや網を畑に設置する。
  • 野菜が病気にならないように、畑の水分管理をする。

周辺からの飛来を防ぐさまざまな工夫をする。

  • 畑の周囲に果樹などの木を植え防ぐ。
  • 野菜に農薬が掛からないようにトンネル栽培をする。
  • 周辺の状況を見ながら、ハウス栽培なども行う。

化学肥料を使わない。入れない。

土づくりは、耕し方を工夫し、微生物の働きを最大限に利用する。

  • 畑の耕し方を工夫して、土の中に酸素を供給する。
  • 酸素を供給することで、微生物が活発になる。
  • 水分が多くなり、微生物がいなくなることを防ぐ。

土の持つ自然の養分で成長するため、化学肥料を必要としない。

  • 微生物や小動物が、野菜の成長を助ける。
  • 野菜の成長を観察しながら、豆類などを植えて養分を補給する。
  • 雑草や収穫後の茎や葉を土の養分に変える。

水を管理し、化学肥料の流入を防ぐ。

  • 水の流れがどのようになっているかを把握する。
  • 畑に溝を作ったりしながら、水が畑に直接入りにくくする。
  • 化学肥料が溶け込んでいない場所から地下水をくみ上げる。

土地を知り、野菜を知る。

地域の気候と地形に適した畑をつくる。

  • 気候や地形の特徴を知っている。
  • 地域に適した野菜を栽培する。
  • 野菜に必要な養分と栽培方法を知っている。

畑の温度や水分の変化を管理する。

  • 年間に3回、土の温度を深さ別に測定する。
  • 土の水分量を確認しながら、畝などの高さを調整する。
  • 野菜の生育度合いを見ながら、水と温度管理をする。

野菜の変化を知る。

  • 野菜の種が芽を出す時期と、根を伸ばす時期を把握する。
  • 野菜の変化と、その理由を知っている。
  • 日々の変化を見逃さず、適切に対応しています。

自然栽培の作物の特徴

自然栽培の野菜は農薬や肥料を使わず自然の力で育てているため、収穫量があまり安定しません。農家の方々の大変な労力により作られています。
自然栽培で収穫された作物は、本来持っている味が引き出されています。甘い作物は甘く、辛いものは辛く育っています。また作物が自然の循環の中で、渋みやエグミを作ることがありますが、これも作物が本来持っている力で、作物自身が病気や害虫から守ろうとする力が備わっているからです。丈夫で最後まで生き残った作物を完熟させることで、充分な旨味が引き出され美味しい作物が収穫でき、体にも環境にも優しい野菜になります。
自然栽培の作物は、養分と水分のバランスが整っており、そのままにしておくと腐るのではなく、水分がなくなり「枯れる」という状態になります。
(作物によっては、条件を整えると養分が発酵し、いい香りを出す場合があります)
自然栽培の作物は、化学的に合成された資材を一切使用しないため、「化学物質過敏症」の方には、安心して食べていただける作物です。

(一部引用:木村秋則著書「百姓が地球を救う」より)

自然栽培の目指すこと

安全で安心な農作物の提供

自然栽培では、近年増加傾向にある「化学物質過敏症」や「原因不明のアレルギー」などを少しでも和らげるため、化学的に合成された農薬や除草剤、化学肥料を一切使用していません。自然の持つ力を最大限に利用し、農作物が自然の循環の中で生育することで、化学的なものを排除し、身体への影響を極力抑制します。

生物多様性の永続的な持続

自然界に存在するすべての生物が、食物連鎖などの自然循環の中にあります。化学物質を用い、特定の植物の成長は抑制し、一部の作物は成長させすぎることで、使用者の意図しない範囲の生態系のバランスを崩します。そのようなことの無いように、自然栽培では自然界に存在しない農薬や化学肥料を一切使用しません。

栽培コストの削減

化学的に合成された農薬や化学肥料は、購入のためにコストがかかり過ぎる場合があります。自然栽培では化学的な資材を使用するコストを、作物が自然の循環の中で最大限活性化できるよう、人の目と手で、生育しやすいようさまざまなお手伝いをするための作業コストに変換し、作業の内容を常に見直します。

地球環境の保全

畑に農薬や化学肥料を使用しないことで、それらから発生する地球環境に影響があると言われている温暖化ガス(N2O:亜酸化窒素)などが、過剰に排出されることを防ぎます。
亜酸化窒素は、温室効果があるだけでなく、オゾン層の破壊にもつながるといわれる物質です。亜酸化窒素の排出量を抑えることで、地球環境を守ることにつながります。

農地の保全による過疎化の防止

自然栽培では、農薬や化学肥料を3年以上かけて排除した畑を使うため、耕作放棄地など、長い間農薬や化学肥料の使われていない土地の利用を進めることで、荒れ地を減少させ、地方の農業従事者が増加することで、農業の発展促進に貢献し、過疎化の対策にも貢献します。